積替え保管とは?「あり」の許可でできること・7日分ルールを解説
積替え保管とは、産業廃棄物を運ぶ途中でいったん降ろして置き、積み替えてから運ぶことです。するには「積替え保管を含む(あり)」の収集運搬業の許可が要ります。置ける量は、その場所の1日の平均搬出量の7日分までです。
「積替保管」と書かれることもあります。この記事では、「あり」と「なし」のちがいと、7日分ルールの数え方をお話しします。保管場所の基準や、山口県で申請するときの準備も、図で順番に見ていきます。
② 置ける量は1日の平均搬出量×7まで
③ 保管の場所には囲いと掲示板(保管上限も書く)「なし」の許可の業者が始めるときは、先に事業の範囲の変更の許可を受けます(廃棄物処理法14条の2第1項)
収集運搬業の許可はあります。遠くの処分場まで毎回運ぶのが大変で、うちの資材置き場にいったん集めたいんです。そのままやってもいいですか?
まず、今の許可証の「事業の範囲」を見てみましょう。「積替え保管を除く」となっていれば、そのままでは始められません。資材置き場が使えるかどうかも、一緒に確かめていきましょう。
積替え保管って、どういうこと?
ふつうの収集運搬は、現場で積んだら、そのまま処分場へ運びます。積替え保管は、その途中に「中つぎの場所」をはさむやり方です。
たとえるなら、宅配便の集配所です。小さな車で集めた荷物を、いったん集配所に集めて、大きなトラックでまとめて運びます。そのほうが、1台ずつ遠くまで走るより効率がよいですね。
ただし、宅配便とちがうところがあります。廃棄物は、置いておける量に上限があります。また、置く場所にもきびしい基準があります。便利な分、守ることが増えるのです。

「あり」と「なし」の許可、何がちがう?
収集運搬業の許可には、「事業の範囲」が書かれます。国の通知では、収集運搬業の事業の範囲は2つで示すとされています。積替えをするかどうかと、扱う産業廃棄物の種類です。
「あり」で申請するときは、申請書に積替え・保管の場所のことも書きます。施行規則9条の2では、次のことを書くとされています。
- 積替え・保管の場所の所在地と面積
- 積替え・保管をする産業廃棄物の種類(石綿や水銀を含むものがあれば、その旨も)
- 積替えのための保管上限(置ける量の上限)
- 屋外で容器を使わずに置くなら、積上げ高さのいちばん高いもの
- 場所の平面図・立面図・断面図などの図面と、付近の見取図
- その土地を使ってよいこと(所有権や使う権利)を示す書類
許可の基準にも、積替えの話が出てきます。積替えの施設をもつなら、その施設にも基準があります。飛び散り・流れ出し・地下へのしみこみ・においを防ぐ措置が要ります(施行規則10条1号ロ)。
「なし」の許可の業者が積替え保管を始めるときは、先に許可が要ります。事業の範囲の変更の許可です(廃棄物処理法14条の2第1項)。許可を受けずに範囲を広げて事業をすると、罰則の対象になりえます(同法25条1項3号)。「とりあえず置いてみる」は、しないでください。
置ける量は「7日分」まで
積替え保管でいちばん大事なのが、置ける量の上限です。いわゆる「7日分ルール」です。
ここで気をつけたいのは、「7日間まで置ける」という日数の決まりではないことです。量の上限です。広い土地があっても、運び出す量が少なければ、置ける量も少なくなります。
例外は2つです。1つは、船で運ぶときに、船の積む量が保管上限を上回る場合です。もう1つは、使用済自動車等を保管する場合です(施行規則7条の4)。ふつうのトラックで運ぶなら、7日分ルールがかかると考えてください。
週に1回しか処分場へ運ばないなら、1週間分ためてもいいんですよね?
そこは誤解されやすいところです。上限は「1日にならした搬出量の7倍」という量で決まります。運び出す予定と置く量を、申請の前に数字で整理しておきましょう。

積替えの場所で、守ること
積替えの決まりは、施行令6条1項1号ハ・ニにあります。一般廃棄物の決まり(施行令3条1号ヘ・ト)の例による、という書き方です。保管は、同号ホが施行令3条1号チ・リの例によるとしています。やさしく言うと、次のとおりです。
- 囲いと表示のある場所でする周りに囲いがあり、積替えの場所だとわかる表示がある場所で積み替えます。
- 飛び散り・流れ出し・においを防ぐ廃棄物が飛び散ったり、流れ出たり、地下にしみこんだり、においが広がったりしないようにします。ねずみや害虫がわかないようにもします。
- 石綿・水銀を含むものは分ける石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物は、ほかの物と混ざらないように仕切りを設けます。
- 行き先を決めてから受け入れる積み替えたあとの運び先を、前もって決めておきます。受け入れる量は、その場所で適切に保管できる量までです。そして、性質が変わらないうちに運び出します(施行規則1条の4の例による)。
④がとくに大切です。行き先の決まっていない廃棄物をためこむ場所にはできません。積替え保管は、あくまで「運ぶ途中の中つぎ」だからです。
ここまで読んで「うちの資材置き場で積替え保管ができるかな?」と思ったら、場所の図面や写真を見ながら一緒に確かめます。初回相談は無料です。
保管の場所の基準:囲い・掲示板・高さ
保管の場所には、排出事業者が自分で保管するときと同じ形の基準があります。囲い、縦・横60cm以上の掲示板、汚水対策、積上げ高さの制限です。
ちがうのは、掲示板の中身です。書くことは、保管の場所である旨・種類・管理者と連絡先・最大の積上げ高さです。積替え保管では、これに「積替えのための保管上限」が加わります(施行規則7条の3)。
囲いは、廃棄物の重さが直接かかる造りなら、その重さに耐えられる安全なものにします。屋外で容器を使わずに積むなら、高さにも上限があります。囲いの下端から50%の勾配の線を超えて積めません(施行規則1条の6の例による)。高さの考え方は、保管基準の記事で図を使ってくわしくお話ししています。
| くらべるところ | 排出事業者の保管 | 収集運搬業者の積替え保管 |
|---|---|---|
| だれが置く? | 廃棄物を出した事業者 | 運ぶことを頼まれた業者 |
| もとになる決まり | 廃棄物処理法12条2項・施行規則8条 | 施行令6条1項1号ハ〜ヘ・施行規則7条の3など |
| 掲示板に書くこと | 保管の場所である旨・種類・管理者・最大の高さ | 左の4つ+積替えのための保管上限 |
| 量の上限 | 条文に日数・量の上限はなし | 1日の平均搬出量×7まで |
その「置く」は、どのルール?
同じ「置く」でも、だれの廃棄物をどこで置くかで、守るルールが変わります。分かれ道の図で確かめてみてください。
建設業の会社は、とくに注意が必要です。自社の工事で出た廃棄物を自社のヤードに置くなら、排出事業者の保管基準の話です。現場の外の300㎡以上の場所なら、事前の届出も要ります。一方で、ほかの会社の廃棄物を運んで、途中で置くなら、「積替え保管あり」の許可の話になります。

山口県で申請するとき、先に確かめること
周南市・下松市・光市の業者なら、申請の窓口は山口県周南健康福祉センターです。所在地は周南市毛利町二丁目38、電話は0834-33-6429です。山口県の手数料は、収集運搬業の新規が81,000円、事業の範囲の変更が71,000円です。
納め方には注意してください。山口県の収入証紙は、令和8年9月末で販売が終わります。令和8年10月1日からは、窓口での納付や納付連絡票など、新しい方法で納めます。どの方法で納めるかは、申請の前に窓口で確かめると安心です。
- その土地を使う権利があるか(持ち主か、賃貸借契約・使用承諾書があるか)
- 土地の登記簿と公図を取り寄せられるか
- 囲い・掲示板・床や排水の造りを、図面にできるか
- 1日にどれくらい運び出すか、保管上限を数字で説明できるか
- 市街化調整区域や農地など、土地の使い方に別の決まりがかからないか
- 周りに住宅や学校などがあり、地元への説明が必要になりそうか
もうひとつ、山口県には「産業廃棄物処理施設等の設置に関する指導要綱」があります。処理施設を設ける前に踏む手順を決めたものです。許可の申請の前に、県と協議します。関係地域(設置場所から少なくとも500mの範囲)の自治会への説明会も開きます。関係自治会の代表者などの承諾も求められます。
ただ、積替え保管の場所がこの要綱の対象になるかどうかは、要綱の文面だけでは確かめられませんでした。周りへの影響が気になる場所なら、計画の段階で県の窓口に確認するのが確実です。
費用と準備の期間の目安
当事務所の報酬の目安は、次のとおりです(いずれも消費税込み)。申請手数料や、証明書を取る費用などの実費は別にかかります。
「あり」は、作業の量によって個別にお見積りします。図面を作ったり、現地を確かめたりする作業が加わるので、準備の期間も長めに見ておいてください。
まだ土地を借りる前なんです。そんな段階で相談してもいいんでしょうか?
むしろ、その段階がいちばんおすすめです。借りたあとで「その土地では難しい」とわかると大変ですから。候補の土地の場所がわかれば、確かめる点を一緒に洗い出します。
よくある質問
運搬車の表示や書面は、積替え保管があっても同じですか?
同じです。運搬車の外側には、産業廃棄物を運ぶ車であることなどを表示します。決められた書面も車に備え付けます(施行令6条1項1号イ)。積替え保管の決まりは、それに上乗せされるものです。
積替え保管の場所で、分別や選別をしてもいいですか?
積替え保管は、運ぶための中つぎです。ほかの物と混ざらないようにする決まりもあります。手作業での選別などをしたい場合は、この記事の範囲をこえます。計画の段階で、県の窓口に確かめるのが確実です。
特別管理産業廃棄物も、同じ許可で積替え保管できますか?
できません。特別管理産業廃棄物の収集運搬は、別の許可です(特別管理産業廃棄物収集運搬業)。保管の決まりも別にあります。この記事は、ふつうの産業廃棄物の話です。
保管上限は、あとから増やせますか?
保管上限は申請書に書く事項です。運び出す量が変われば、上限も変わります。変えるときにどんな手続きが要るかは、変える中身によるので、まずご相談ください。
関連ページ
積替え保管は、土地選びから始まる手続きです。「この場所で大丈夫か」だけでも、お気軽にご相談ください。周南市・下松市・光市の周辺なら、現地にも伺います。
産業廃棄物収集運搬業(積替え保管)のご相談は、周南行政書士事務所へ
周南行政書士事務所(周南市大字呼坂919-5)TEL 0833-48-5781/FAX 0833-48-5780
参考にした情報(2026年9月26日確認)
- e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(第12条第2項、第14条、第14条の2、第25条)
- e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」(第3条第1号、第6条第1項第1号)
- e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則」(第1条の4〜第1条の6、第7条の3、第7条の4、第8条、第9条の2、第10条)
- 環境省「産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)」令和2年3月30日(事業の範囲)
- 山口県「産業廃棄物収集運搬業許可申請書(様式第6号)」(添付書類、手数料)
- 山口県「産業廃棄物処理業の事業範囲変更許可申請書(様式第10号)」(手数料、受付窓口)
- 山口県「山口県産業廃棄物処理施設等の設置に関する指導要綱」
- 山口県「廃棄物に関する窓口」
- 山口県「山口県収入証紙の廃止と新しい手数料納付方法」


