周南行政書士事務所|建設業許可(個人→法人の移行)

建設業許可を「個人から法人へ」
承継(認可)で空白なく移すための要件・手続き

個人事業で建設業許可を持ったまま法人成りする場合、いちばんの不安は 「許可が切れて無許可期間が出ないか」です。
建設業法の承継(認可)(主に第17条の2:譲渡及び譲受け)を使えると、 承継日を決めて逆算し、許可の空白を作らずに移行できる可能性があります。

※承継(認可)は「事前手続き」が前提です。承継日より前に認可を得る必要があり、行政庁ごとに標準処理期間・受付期限があります。
※許可の有効期間は、残存期間に関係なく承継日の翌日から5年起算と整理されています(制度運用上の重要ポイント)。
※相続は別制度(建設業法第17条の3)です。ここでは主に「個人→法人(譲渡・譲受け)」を説明します。
要件・条件 スケジュール 対象外の落とし穴 周南・下松・光中心
法人成りに伴う建設業許可の承継(認可)のイメージ

こんなお悩みはありませんか?

よくある悩み

法人成りしたいが、許可を「取り直し」たくない

廃業→新規申請だと、審査期間に「無許可期間」が出たり、取引先説明が負担になりがちです。

よくある悩み

設立日・承継日・契約名義変更の順番が分からない

「いつ会社を作り、いつ承継させるか」で、要件・資料・期限が噛み合うかが決まります。

よくある悩み

経管・技術者・社保…要件整理ができない

承継先(法人)も許可要件を満たす必要があります。論点を先に「見える化」するのが近道です。

よくある悩み

行政庁の運用に合わせた最短手順が知りたい

受付期限や添付書類は運用差があります。事前相談の設計が結果を左右します。

周南行政書士事務所が支援します: 承継の可否判断→承継日設計→要件整理→資料整備→申請まで、詰まりやすいポイントを先回りして進めます。

1. 結論:個人→法人は「譲渡及び譲受け(承継の認可)」で考える

個人事業主が法人成りする場合、多くは事業譲渡(譲渡・譲受け)の形で、 建設業法第17条の2に基づく承継(認可)を検討します。
これは「許可を取り直す」制度ではなく、承継日法人が建設業者としての地位(許可)を承継する制度です。

ポイント:承継は「事後」ではなく事前に認可が必要です。まず承継日を決め、逆算して動きます。

まずはこれだけ確認(超簡易)

  • 承継日(いつから法人名義で工事・契約にしたいか)を決められそう
  • 法人側で「経営業務管理の体制」「営業所技術者等」「社会保険」など要件を整えられる見通しがある
  • 許可の業種・一般/特定・営業所の整理ができる(後述:対象外パターン注意)

2. 「廃業 → 法人で新規」と何が違う?

従来型

個人を廃業 → 法人で新規申請

  • 審査期間に許可の空白が出やすい
  • 県知事許可(新規)は原則90,000円など、申請区分に応じた手数料が必要
  • 許可番号が変わり、取引先説明・標識・契約書式の整理負担が増えやすい
承継型

事前に認可 → 承継日に引き継ぐ

  • 承継日に許可を引き継ぐ設計ができ、空白を避けやすい
  • 認可申請手数料は不要とされる運用例が多い(ただし要件審査は重い)
  • 許可番号の扱いも「引継ぎ」を前提に整理される運用がある

注意:承継型でも「楽」になるわけではありません。要件審査は新規申請並みに重要で、資料の整備が成否を分けます。

3. メリット・デメリット(正直な整理)

メリット

許可の空白を避けやすい

  • 承継日に許可が移るため、無許可期間のリスクを下げやすい
  • 取引先への説明が「承継日で名義が変わる」と整理しやすい
  • 法人化(目的・役員・所在地)と許可要件を同時に整えられる
デメリット

事前準備が重く、期限に間に合わないと詰む

  • 「事前認可」が前提なので、設立・社保・体制が遅れると承継日を組めない
  • 対象外パターン(一般/特定の衝突等)があるため、事前整理が必要
  • 資料不備が続くと、承継日をずらす(契約・名義変更も連動)必要が出る

実務の結論:承継(認可)は「要件」と「スケジュール」の噛み合わせで決まります。
先に会社だけ作るのではなく、承継日→逆算→体制/社保/書類を同時に整えるのが安全です。

4. 【重要】要件・条件(承継の認可で必ず押さえる)

個人→法人の移行で「承継(認可)」を使うには、次の要件・条件を満たす必要があります。 ここが曖昧なまま進めると、後で手戻りになります。

条件①

承継日の「前」に認可を受ける

承継(認可)は事前手続きです。承継の事実が発生した後では原則として使えません。
だからこそ「承継日」を先に決め、逆算で申請準備をします。

条件②

建設業者としての地位は「全部」承継が原則

承継は原則として建設業者としての地位の全部を承継する枠組みです。
「一部の業種だけ承継」は不可と整理されるため、業種の整理が必要な場合は先に設計します。

条件③

承継先(法人)も許可要件を満たす

認可審査では、承継先(法人)が欠格要件に該当せず、 経営業務管理の体制営業所技術者等社会保険等の要件を備える必要があります。

重要な運用論点:
①承継元・承継先がともに許可業者で、同一業種について一般/特定が衝突する場合は制度対象外になり得ます。
②許可の有効期間は、残存期間に関係なく承継日の翌日から5年起算と整理されています。
③認可に際して、条件の取消・変更や新たな条件付与がされる場合があります(案件により)。

要件チェックリスト(実務版)

  • 承継日(効力発生日)をいつにするか、候補日がある
  • 法人側の「経営業務管理の体制」を説明できる(役員構成・補佐体制含む)
  • 法人側に「営業所技術者等」を置ける(資格/実務経験/常勤性の裏付け)
  • 社会保険(健保・厚年・雇保等)の加入状況・手続きが整う
  • 役員等が欠格要件に該当しない
  • 承継したい許可(業種・一般/特定・営業所)を棚卸しできている

※上記は概要です。知事/大臣、一般/特定、業種構成、営業所体制により論点が増えます。

5. 対象外になりやすいケース/落とし穴

承継(認可)は万能ではありません。次のパターンは特に注意が必要です。

落とし穴

「一部だけ承継」しようとする

承継は原則「全部承継」です。業種を減らしたい/整理したい場合は、承継前に構成を整える設計が必要です。

落とし穴

一般/特定の“衝突”があるのに進める

承継元・承継先がともに許可業者で、同一業種が一般/特定で食い違う場合は対象外になり得ます。事前に行政庁と整理します。

落とし穴

承継日を決めずに法人設立を先行

社保や体制資料が揃わず、承継申請が間に合わないことがあります。承継日は最初に決めて逆算が鉄則です。

落とし穴

承継後の届出・名義整理を忘れる

標識、契約名義、請求書、経審・入札参加など周辺手続きも連動します。最後まで「移行パッケージ」で組みます。

実務の対策: 対象外の可能性がある場合は、承継前に許可構成の整理(例:事前に業種整理、体制再設計等)が必要です。最終判断は許可行政庁の運用に従います。

6. 進め方(流れ)とスケジュール設計

承継(認可)は「期限がある事前手続き」です。行政庁の標準処理期間・受付期限があるため、少なくとも2〜3か月前から逆算するのが安全です。

1

承継日(効力発生日)を決める

「いつから法人名義で工事・契約にしたいか」を先に確定します。

2

承継類型の整理(多くは「譲渡及び譲受け」)

個人→法人は通常、事業譲渡(譲渡・譲受け)として設計します。

3

法人側で許可要件を満たす体制を固める

経営業務管理の体制、営業所技術者等、社保、欠格要件をチェックし、裏付資料の当たりを付けます。

4

事前相談 → 認可申請 → 補正対応

受付期限・添付書類の運用差を吸収し、承継日に間に合う申請計画にします。

5

承継日到来(効力発生)→ 名義・帳票・周辺手続き整理

標識、契約名義、請求書、経審、入札参加等、実務の「止まる所」を潰します。

期限の目安: 行政庁により「90日前まで」などの運用例があります。反対に「少なくとも35日前」等の例もあります。案件ごとに確認し、早めの着手が安全です。

7. 必要書類の考え方(山口県様式で整理)

承継(認可)でも「申請書だけ」では通りません。要件を裏付ける資料が必要です。 山口県では、譲渡及び譲受け認可申請書等の様式が整理されています。

(例)譲渡及び譲受けで通常検討する書類群

  • 認可申請書一式(表紙、譲渡及び譲受け認可申請書、役員等一覧、営業所一覧、営業所技術者等一覧 等)
  • 事業譲渡契約書(承継日、対象、範囲などを明確化)
  • 許可要件の裏付資料(経営業務管理の体制、営業所技術者等、常勤性、社保等)
  • 現許可の内容が分かる資料(許可通知書、申請控、変更届控、決算変更届控など)

実務のコツ: 「会社の設計(目的・役員・所在地)」と「許可要件資料」を同時に整えないと、補正が増えて承継日に間に合わなくなります。

8. 当事務所の支援内容(法人成り×承継)

支援①

承継の可否判断・論点整理

現許可(業種・一般/特定・営業所)と法人側体制を突合し、対象外要因を先に潰します。

支援②

承継日から逆算した計画設計

設立・社保・資料整備・申請の順序を組み、承継日に間に合う最短ルートにします。

支援③

申請書作成・添付資料の整備

補正を減らす構成で資料を揃え、行政庁の運用に合わせて組み立てます。

支援④

事前相談・申請・補正対応

行政庁との調整を含め、承継日まで伴走します。

まずは状況確認から: 「許可通知書」「直近の決算変更届(副本)」「技術者の根拠」「法人化時期(承継希望日)」が分かれば、方向性が固まります。

よくある質問

法人成りしたら必ず承継(認可)を使えますか?

必ずではありません。法人側が許可要件を満たす必要があり、また一般/特定の衝突など「対象外」になり得るパターンもあります。まず可否判定から行います。

どれくらい前から動けばいいですか?

承継(認可)は事前手続きです。行政庁の標準処理期間・受付期限があるため、少なくとも2〜3か月前から逆算するのが安全です(案件により要前倒し)。

承継後の許可の有効期間はどうなりますか?

制度運用上、残存期間に関係なく「承継日の翌日から5年起算」と整理されています。更新時期の設計まで含めてスケジュールを組みます。

相談のときに何を用意すればいいですか?

可能なら「許可通知書(写し)」「直近の決算変更届(副本)」「技術者の資格/実務経験の根拠」「法人設計(役員・所在地・目的)」「承継希望日」があるとスムーズです。

対応エリア

周南市・下松市・光市を中心に、山口県内の建設業許可手続きを支援しています。
(案件により、大臣許可相当についてもご相談ください。)

法人成り×建設業許可は「段取り」で決まります

承継(認可)は、要件スケジュールが噛み合えば、許可の空白を避けやすい制度です。
「うちは承継できる?」の確認からでも構いません。お気軽にご相談ください。

周南行政書士事務所(代表 行政書士 広戸 克義)/予約制