建設業許可の法人成りで失敗しないための順番|個人許可から法人化する前に確認すること
建設業許可・法人なり・事業承継
個人事業主として建設業許可を持っている方が会社を作る場合、 「会社を作ればそのまま許可も使える」と考えてしまうと、思わぬ空白期間が生じることがあります。 法人成りは、法人設立・建設業許可・取引先説明・税務・登記を同時に整理する必要があります。
最初に結論|法人成りは「会社を作る順番」だけで決めない
建設業許可を持つ個人事業主が法人成りする場合、重要なのは 「法人を作ること」よりも、「法人でいつから許可が必要な工事を請けるのか」です。
法人成り後の法人は、個人事業主とは別人格です。個人名義の建設業許可を、手続なしに法人がそのまま使うことはできません。 そのため、主に次の2つの方法を検討します。
方法1|事業譲渡による承継認可を検討する
個人事業から法人へ建設業を引き継ぐ場合、事前の認可により建設業者としての地位を承継できる場合があります。 空白期間を避けたい場合に重要な選択肢です。
方法2|法人で新規に建設業許可を取る
法人設立後、その法人を申請者として新規許可を取得する方法です。 ただし、法人に許可が出るまでは、法人名義で許可が必要な規模の工事を請けることはできません。
※どちらが適切かは、現在の許可業種、取引先との契約時期、公共工事・経審・入札参加資格の有無、法人設立予定日、決算期、税務処理によって変わります。
法人成りでよくある失敗例
先に法人を作ってしまい、建設業許可の手続が後回しになる
会社設立だけを先に進めると、法人名義で見積書・注文書・請求書を出し始めた後に、 「法人ではまだ建設業許可がない」と気づくことがあります。
個人許可を法人がそのまま使えると思っている
個人事業主と法人は別の主体です。個人名義の許可を、法人が当然に使えるわけではありません。 承継認可を使うのか、法人で新規許可を取るのかを先に整理する必要があります。
空白期間中に大きな工事の話が入る
建築一式以外の専門工事では、税込500万円未満の軽微な工事を除き、建設業許可が必要になります。 法人に許可がない期間に、法人名義で許可が必要な工事を請けることは避けなければなりません。
税理士・司法書士・行政書士の連携が遅れる
法人成りは、登記だけの問題ではありません。資本金、事業目的、役員構成、事業年度、税務届出、社会保険、建設業許可要件を合わせて設計する必要があります。
失敗しないための正しい順番
建設業許可を持つ個人事業主が法人成りする場合は、次の順番で整理すると安全です。
現在の建設業許可を確認する
許可業種、有効期限、一般・特定の別、営業所、営業所技術者等、常勤役員等、決算変更届の提出状況を確認します。 決算変更届が未提出の場合、法人成りの前に整理しておく方が安全です。
承継認可か、新規許可かを決める
空白期間を避けたい場合は、事業譲渡による承継認可を検討します。 一方で、状況によっては法人で新規許可を取る方が整理しやすい場合もあります。
会社設立の内容を建設業許可に合わせる
会社の目的、本店所在地、役員、資本金、事業年度を、建設業許可申請に支障が出ないように設計します。 特に財産的基礎や常勤性に関わる部分は、後から直すと時間がかかることがあります。
税理士・司法書士と同時に確認する
税理士には、個人事業の廃業、法人の開始、資産・負債の引継ぎ、インボイス、役員報酬、決算期などを確認します。 司法書士には、会社設立登記、役員構成、定款目的、本店所在地を確認します。
建設業許可の申請・認可手続を進める
承継認可を使う場合は、承継日より前に認可を受ける必要があります。 法人新規許可の場合は、法人の登記完了後、法人を申請者として許可申請を進めます。
取引先へ説明する
法人名、代表者、所在地、請求書・口座、許可番号、許可取得予定日、契約名義の切替日を整理し、 元請・取引先に早めに説明します。
許可後の届出・経審・入札資格を確認する
法人成り後は、許可を取って終わりではありません。 決算変更届、更新、経審、入札参加資格申請、許可票、契約書・請求書の表示など、法人としての管理に切り替える必要があります。
「承継認可」と「法人新規許可」の違い
| 項目 | 承継認可を使う場合 | 法人で新規許可を取る場合 |
|---|---|---|
| 考え方 | 個人事業の建設業を法人へ引き継ぐ | 法人を新しい申請者として許可を取る |
| 空白期間 | 事前認可により空白期間を避けられる可能性がある | 法人に許可が出るまで注意が必要 |
| 準備時期 | 承継予定日前から早めの相談・準備が必要 | 法人設立後、許可申請の準備が必要 |
| 注意点 | 承継者である法人が許可要件を満たす必要がある | 法人として常勤役員等・営業所技術者等・財産的基礎を満たす必要がある |
| 向いているケース | 法人化後すぐに許可が必要な工事を請けたい場合 | 法人化後、許可取得までの期間を調整できる場合 |
※実際の選択は、現在の許可内容、承継日、取引先との契約、公共工事の予定、行政庁の運用を確認して判断します。
空白期間を作らないために注意すること
法人成りで一番避けたいのは、法人に建設業許可がない期間に、法人名義で許可が必要な工事を請けてしまうことです。 特に、元請から「今後は法人で契約してください」と言われている場合は、契約名義の切替日と許可の効力発生日を慎重に合わせる必要があります。
- 法人設立日を先に決めすぎない
- 取引先との契約名義をいつ切り替えるか確認する
- 個人名義の許可をいつ廃業するか慎重に決める
- 法人で500万円前後以上の専門工事を請ける予定があるか確認する
- 建築一式工事の場合は、金額・木造住宅の面積基準も確認する
- 公共工事を予定している場合は、経審・入札参加資格の扱いも確認する
周南行政書士事務所で整理できること
当事務所では、建設業許可を持つ個人事業主の法人成りについて、 「今すぐ会社を作るべきか」「許可の承継を使えるか」「法人新規許可で進めるべきか」を整理します。
行政書士として
建設業許可、承継認可、新規許可、変更届、決算変更届、経審・入札参加資格の流れを整理します。
税理士との連携
個人事業の廃業、法人開始、資本金、役員報酬、資産引継ぎ、インボイスなどを確認して進めます。
司法書士との連携
会社設立登記、定款目的、本店、役員構成など、建設業許可に合う形で確認します。
取引先への説明文例
法人成りでは、元請・取引先への説明も重要です。以下のように、契約名義・請求書・許可の扱いを整理して伝えるとスムーズです。
法人成り前のチェックリスト
よくある質問
個人の建設業許可を、法人でそのまま使えますか?
手続なしにそのまま使うことはできません。個人と法人は別の主体です。 事業譲渡による承継認可を使うのか、法人で新規許可を取るのかを検討する必要があります。
法人を作った後、すぐに500万円以上の専門工事を請けてもよいですか?
法人に建設業許可がない場合は注意が必要です。建築一式以外の工事では、税込500万円未満の軽微な工事を除き、建設業許可が必要です。 法人名義で許可が必要な工事を請ける予定がある場合は、法人化前から手続の順番を整理してください。
承継認可を使えば、必ず空白期間はなくなりますか?
事前に認可を受け、承継日に合わせて手続が整えば空白期間を避けられる可能性があります。 ただし、法人側が許可要件を満たす必要があり、書類や行政庁の審査もあるため、早めの準備が必要です。
個人許可の廃業届はいつ出せばよいですか?
進め方によって異なります。先に個人許可を廃業してしまうと、法人側の許可が整うまで空白期間が生じる可能性があります。 承継認可を使うのか、法人新規許可で進めるのかを確認してから判断する必要があります。
公共工事に入っている場合も注意が必要ですか?
注意が必要です。経審、入札参加資格、自治体への登録情報、許可番号、法人化後の申請先などを確認する必要があります。 山口県や市町村の入札参加資格を持っている場合は、許可手続だけでなく、入札資格の承継・変更関係も確認しましょう。
周南行政書士事務所
建設業許可の法人成り、順番から整理します
法人成りは、会社設立だけでなく、建設業許可・税務・登記・取引先説明を同時に考える必要があります。 「法人化したいが、許可をどうすればよいか分からない」という段階でもご相談ください。
- 周南市・下松市・光市を中心に対応
- 初回の方向性整理は無料
- 税理士・司法書士との連携も可能
まずは状況整理から
法人化の前に、建設業許可の順番を確認しませんか
現在の許可内容、法人化の予定時期、取引先との契約予定、公共工事の有無を確認し、 必要な手続と進める順番を整理します。
受付時間:平日 9:00〜19:00/予約により土日・夜間も対応可能です。

