元請から「建設業許可を取って」と言われたら最初に確認すること

建設業許可・新規取得の初期確認

元請会社から急に「建設業許可を取ってください」と言われると、 何から確認すればよいか分からず、不安になる方も多いと思います。

この記事では、許可が必要になる理由、請負金額、経験、資格、決算書・確定申告書など、 最初に確認すべきポイントをやさしく整理します。

元請から許可取得を求められた 500万円以上の工事が出てきそう 許可が取れるか先に知りたい
建設業者が行政書士に建設業許可について相談しているイメージ
まずは「許可が取れそうか」「何を準備すべきか」を一緒に整理します。

まず結論

最初に確認するのは、申請書ではなく「許可が必要な状況か」と「要件を満たせるか」です。

建設業許可は、単に申請書を作れば取れるものではありません。 まず、どの業種の許可が必要なのか、請負金額はいくらか、経営経験を証明できるか、 営業所技術者等になれる方がいるか、決算書や確定申告書で財産面を確認できるかを整理する必要があります。

元請会社から「許可を取って」と言われた段階では、 すぐ申請できる場合もあれば、資料収集や準備期間が必要な場合もあります。 焦って動くより、最初に状況を確認することが大切です。

reason

なぜ元請から建設業許可を求められるのか

元請会社が下請業者に建設業許可の取得を求める背景には、主に次のような理由があります。

1

請負金額が大きくなるため

建築一式工事以外では、工事1件の請負代金が税込500万円以上になると、 原則として建設業許可が必要になります。

2

元請側の管理上、必要になるため

元請会社としても、下請業者が適切な許可を持っているかを確認する必要があります。 継続取引や大きな工事の前提として、許可取得を求められることがあります。

3

今後の受注拡大につながるため

許可を取得すると、これまで受けられなかった規模の工事や、 新しい元請との取引につながる可能性があります。

建設業許可で確認すべき項目をチェックリストで整理するイメージ

first check

元請から言われたら、最初に確認する7つのこと

建設業許可を取れるかどうかは、次の項目を確認すると大まかな方向性が見えてきます。

1

どの工事業種の許可が必要か

とび・土工、内装、管、電気、塗装、防水、解体など、実際に請け負う工事内容を確認します。 「建築一式を持っていれば何でもできる」というものではないため、業種の確認は重要です。

2

1件あたりの請負金額はいくらか

建築一式工事以外では、税込500万円以上の工事を請け負う場合、原則として許可が必要です。 追加工事や材料支給がある場合も確認します。

3

建設業の経営経験があるか

法人なら常勤役員、個人事業主なら本人などに、建設業の経営業務を行ってきた経験があるかを確認します。

4

資格者または実務経験者がいるか

営業所技術者等、いわゆる専任技術者に該当する方がいるかを確認します。 資格で証明する場合と、実務経験で証明する場合があります。

5

決算書・確定申告書があるか

財産的基礎や過去の建設業経験を確認するために、直近の決算書や確定申告書が重要になります。

6

請求書・契約書・通帳などで経験を証明できるか

「長年やっている」という説明だけでは足りません。 工事内容、請負金額、入金状況が分かる資料が残っているかを確認します。

7

社会保険・雇用保険の状況

法人か個人事業主か、従業員の有無などにより確認内容が変わります。 申請前に保険関係の状況も整理しておくと安心です。

money line

請負金額の確認|500万円のラインに注意

建設業許可が必要かどうかを判断するうえで、最初に確認したいのが 工事1件あたりの請負金額です。

建築一式工事以外では、工事1件の請負代金が税込500万円未満であれば、 「軽微な建設工事」とされ、建設業許可がなくても請け負える場合があります。

ただし、最初の契約では500万円未満でも、追加工事によって税込500万円以上になる場合があります。 また、注文者から材料支給がある場合など、金額の見方に注意が必要なケースもあります。

金額確認で見るポイント

  • 税込の請負金額
  • 追加工事を含めた総額
  • 同一工事を不自然に分けていないか
  • 注文者から支給される材料の有無
  • 今後予定している最大請負金額
工事の種類 軽微な建設工事の目安 確認ポイント
建築一式工事 税込1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事 「建築一式工事」に該当するかは慎重な確認が必要です。
建築一式工事以外 税込500万円未満 専門工事では、まずこの500万円ラインを確認します。

※ 実際の判断は、工事内容、契約内容、追加工事、材料支給の有無などにより変わることがあります。

experience

経営経験の確認|「何年やっているか」だけでは足りません

法人の場合

常勤役員の中に、建設業の経営業務について一定期間の経験がある方がいるかを確認します。 代表取締役や取締役としての経験、過去に許可業者で役員だった経験などが問題になります。

個人事業主の場合

本人に、建設業を個人事業主として行ってきた経験があるかを確認します。 確定申告書、請求書、入金記録など、事業実態を示す資料が重要になります。

経営経験の確認で見たい資料

履歴事項全部証明書 確定申告書の控え 決算書 工事の請求書 契約書・注文書 入金が分かる通帳 許可業者での役員経験資料 過去の工事内容が分かる資料

建設業許可では、「建設業を長くやっています」という話だけではなく、 その経験を客観的な資料で確認できるかが重要です。 まずは、手元に残っている資料を一緒に確認していきます。

license or experience

資格・実務経験の確認|営業所技術者等になれる人がいるか

資格で確認する場合

施工管理技士、技能士、電気工事士など、取りたい業種に対応する資格があるかを確認します。 資格がある場合でも、どの業種の許可に使えるかは資格ごとに異なります。

  • 資格証の写し
  • 合格証明書
  • 登録証・免状
  • 資格が対応する業種の確認

実務経験で確認する場合

資格がない場合でも、一定の実務経験で営業所技術者等になれる場合があります。 ただし、経験年数だけでなく、実際にどの工事に従事していたかを証明する資料が必要です。

  • 過去の工事請求書
  • 注文書・契約書
  • 工事内容が分かる資料
  • 在籍・常勤性を確認できる資料

※ 従来「専任技術者」と呼ばれていた部分について、現在は「営業所技術者等」という表現が使われます。 実務上は今でも「専技」と呼ばれることが多いため、相談時にはどちらの言葉でも問題ありません。

financial basis

決算書・確定申告書で確認すること

建設業許可では、財産的基礎または金銭的信用の確認も必要です。 一般建設業許可では、自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力などが確認ポイントになります。

法人の場合は直近の決算書、個人事業主の場合は確定申告書を確認します。 赤字だから絶対に無理というわけではありませんが、財産要件を満たせるかどうかは早めに確認しておく必要があります。

最初に準備したいもの

  • 法人:直近の決算書
  • 法人:履歴事項全部証明書
  • 個人:確定申告書の控え
  • 個人:青色申告決算書・収支内訳書
  • 預金残高が分かる資料
  • 過去の工事売上が分かる資料

※ 財産要件の確認方法や必要資料は、申請先や事業者の状況により異なる場合があります。 山口県で申請する場合も、事前に資料の整合性を確認してから進めることをおすすめします。

documents

相談前に手元にあると確認が早い資料

決算書 確定申告書 資格証 請求書 注文書 契約書 通帳の入金記録 元請からの案内文

すべての資料がそろっていなくても大丈夫です。 まずは、分かる範囲で現在の状況を整理し、 「申請できる可能性があるか」「追加で何を集めるべきか」を確認することが大切です。

flow

元請から言われた後の進め方

STEP 1

現在の状況を整理

法人か個人か、取りたい業種、元請から求められている内容を確認します。

STEP 2

経験・資格・資料を確認

経営経験、営業所技術者等、決算書・確定申告書、請求書などを確認します。

STEP 3

取得可能性を判断

すぐ申請できそうか、追加資料が必要か、準備期間が必要かを整理します。

STEP 4

申請準備へ

必要書類の収集、証明資料の整理、申請書類の作成へ進みます。

case

このような方は、早めの確認をおすすめします

元請から急に言われた方

「次の現場から許可が必要」と言われた場合、取得までの期間も含めて早めに確認しましょう。

500万円以上の工事が見えている方

受注予定がある場合、契約前に許可の必要性を確認しておくことが大切です。

資格はあるが申請が初めての方

資格があっても、業種との対応関係や常勤性、営業所の状況などの確認が必要です。

free check

建設業許可が取れるか、無料で方向性を整理します

「元請から言われたけれど、何から始めればいいか分からない」 「資格がないけど取れるのか知りたい」 「個人事業主でも許可が取れるのか確認したい」 という段階でも大丈夫です。

まずは現在の状況をお聞きして、取得可能性と必要な準備を整理します。

建設業許可について電話やLINEで無料相談するイメージ

無料診断で確認する内容

  • 個人事業主か法人か
  • 取りたい建設業種
  • 建設業の経験年数
  • 資格の有無
  • 直近の請負金額
  • 500万円以上の工事予定
  • 確定申告書・決算書の有無
  • 元請から許可取得を求められているか

faq

よくある質問

元請から言われたら、すぐに建設業許可は取れますか?

すぐに申請できる場合もありますが、経験・資格・決算書・確定申告書・証明資料の状況によります。 まずは取得要件を満たしているか確認する必要があります。

500万円未満の工事だけなら許可は不要ですか?

建築一式工事以外では、税込500万円未満の工事は軽微な建設工事にあたる場合があります。 ただし、追加工事や材料支給、工事の分割などにより判断が変わることがあります。

資格がないと建設業許可は取れませんか?

資格がなくても、一定の実務経験で営業所技術者等になれる場合があります。 ただし、実務経験を証明する資料が必要になります。

個人事業主でも建設業許可は取れますか?

個人事業主でも要件を満たせば建設業許可を取得できます。 本人の経営経験、技術者要件、確定申告書、財産要件などを確認します。

赤字決算でも許可は取れますか?

赤字であることだけで直ちに不可となるわけではありません。 ただし、自己資本や資金調達能力など、財産的基礎の確認が必要です。

相談するときに何を準備すればよいですか?

最初は、決算書または確定申告書、資格証、過去の工事請求書、契約書・注文書、 通帳の入金記録などがあると確認が進みやすくなります。 すべて揃っていなくても、まずは分かる範囲でご相談ください。

周南行政書士事務所

元請から「許可を取って」と言われたら、まずは状況確認から。

建設業許可は、要件と証明資料の整理が重要です。 周南市・下松市・光市を中心に、山口県内の建設業許可申請をサポートしています。

周南行政書士事務所
TEL:0833-48-5781
対応地域:周南市・下松市・光市を中心に山口県内対応